「朱子地五葉草花」と名づけられたこの裂をお殿様の衣裳着に採用しました。黒地の朱子地に縁起の良いとされる五葉の草花を煌びやかな金糸、橙色糸を駆使しながら織り出された格調ある反物です。 雅に浮かび上がる五葉草花文様は、あくまでも上品な雰囲気を湛える意匠美です。色使いに大胆なコントラストを醸し出したお内裏様です。本革でしつらえた石帯、上品な居、組紐を使った平緒など細部にまでこだわり抜いた仕立てとなっています。
お姫様にも上品な臙脂色の京都西陣織衣裳に吉祥花草文様を織り込み、色彩グラデーションも橙色、アプリコット色、梔子色、黄土色と美しい裾重ねが見事な衣裳着を着付けました。龍村美術織物がその技術の粋を集めて仕上げた手織り正絹の反物を贅沢に使っています。重ねにも最上の素材を使い、いつまでも型崩れしない「紫翠違い重ね造り」の裾を採用し、いつまでも変わらぬ流麗なラインを生み出しています。 裳袴には金彩で松竹梅御殿蒔絵の縁起のよい図柄を施し、お殿様同様、細部までこだわった仕立てです。 親王様のお顔は、変質や変色のこない胡粉仕上げの本頭を採用しています。平安の時代考証を忠実に守った京人形としてシンプルなまでに絞り込まれたデザインながら、いつまでも見飽きる事のない趣きを醸し出しています。永きにわたって優雅な笑みを楽しむ事が出来ます。
美術的価値の大変高い「龍村美術織物」の手織り技術で織り出した裂、この貴重な裂をふんだんに使い、京人形ならではの落ち着いた佇まいは、豪華な芸術品のような仕立てです。確かな技術に裏打ちされた、名門中の名門の織物で紡ぎ出されたおひなさまには、風格すら漂います。
【平安博暁作 秀光人形工房監修 京都龍村美術織物〈朱子地五葉草花文様〉】 ≪「龍村裂」 独創と復元の世界 ≫ 正倉院御物の復元以来、世界中の古代織物の復元を手掛け、精巧な技術と鋭い感性で世界最高水準の美術織物と絶賛され、世界に名だたる至宝の織物。染織技術に対する功績によって美術院恩賜賞を受けた、初代龍村平蔵氏による創業。古代織物の研究を基盤とする織物美術創作の伝統を受け継ぎ、世界的に認められる美術織物を造り出しています。
高級感あふれる木製の飾り台は、黒塗りクリアー加工を施し、丈夫で艶やかな光沢を放つしっかりとした作りです。台上には通常用いられる「い草」畳ではなく、正式な場で用いられる流備畳をはめ込みました。畳の色合いがい草より明るく、ピッチも大きく豊かに編み込んでいますので、より上品な印象を醸し出しています。 屏風にも本物志向で金沢金箔をふんだんに使った金沢箔木製塗枠屏風をセッティング。三つ折屏風で空間を広く見せるという効果もあります。本物の金箔ならではの、深みのある輝きを堪能する事が出来ます。
付属のお道具類にもこだわりを生かし、落ちつきを出しながらも親王を引き立てるように配慮致しました。前飾りには木製の伝統工芸、駿河蒔絵雛道具を採用しました。駿河蒔絵をふんだんにあしらった上品なお道具揃えです。 おひなさまの両端を飾りつける「お花」は、白木桐木製の井垣を手仕上げで組み込んだ、温かみのある手作り桜橘です。枝数を多くして、こんもりとしたかわいらしい形にデザインした、大きめな「桜橘」のお花飾りです。井垣の白木の色と、桜の淡い桜色、橘の葉の鮮やかな緑色がとてもマッチして、おひなさまを引き立てます。 ほのかに灯る雪洞は、「明かりを付けましょ雪洞にぃ~♪」の歌のとおりに、もちろん電気付き雪洞を採用。面倒な配線処理の心配のない画期的なコードレス・電池タイプです。コンセントの近くなど、飾る場所を選ばず、屏風の横に見苦しくコードが見えてしまうこともなく、スマートに飾り付けることができます。ほのかに灯る明かりで、優しくお子様の行く末を明るく照らしてくれる事でしょう。少し円盤型に膨らませた、上品な雰囲気の形状の火屋(ほや)には桜柄を淡く描きました。昔ながらの黒塗りの雪洞は、お雛様とってもよくマッチします。ほのかに灯る雪洞が親王様を一段と華やかに演出してくれます。 細部にわたる造りの良さは、限定的に製造されたこの親王様をさらに価値ある物にしています。こだわりの手間ゆえ製造数は少ないのですが、永く飾って頂くに相応しい仕様を誇っています。
【京人形師 平安博暁】
若き時より京都に出て、京人形最高の技を誇るとされた人形師平安一甫に師事する。京人形ならではの素材を活かした着せ付けを学び、侘び寂びのはんなりとした仕上げの極意を習得する。独立後、素材の美しさを充分に活かした優美で高貴な作風と、洗練された独自の感性が高く評価され、京人形の名匠として全国的にも人気度が高い京人形作家となる。
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